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○|○|日記館

夢でおならを踏むような噺
…とは程遠い、生活感あふるる自分語り

 
2013-05-25

浅草にて

カテゴリー: 日記
浅草でとんかつの名店といわれる店にて昼食。
下味もしっかりついていてそのまま食べてもおいしい、塩で食べると脂のコクが引き立つ。ごはんもキャベツもすすむ。あー豚の脂っておいしい。心の底からそう思えるほどおいしかったのだけれど、わたしとしてはもっと衣がざくざくのとこにとんかつソースどぼどぼかけて食べる、胸焼けするくらいのとんかつを求めてしまった。ここはさっぱりといただけるようにか、衣も軽くて(とはいえ下顎内側を負傷)ウスターソースだったんだよね。上品なとんかつ。いや、でもほんとおいしかった。



腹を満たしたあとは浅草演芸ホールへ。
昼席も三三・白酒・さん喬そしてアサダ二世先生などとなかなか魅力的な顔付けだったですが、目当ては夜席トリの喬太郎。キョンキョンにしか興味のない友人と、それに触発されて聴いてみたいという寄席未体験の友人を連れて、下見がてらそちら方面へ向かう。

商店街をひやかしながら歩いていると、すげえかわいいTシャツを発見。しかしなかなかいいお値段で、ちょっと考えますといって店を後にして歩いてゆくと見えてきたのは青空の下はためく喬太郎の幟。

あーっほら喬太郎って書いてあるよ!とはしゃぐ友人たち、遠目からそれをみながらわたしも、今日はなにかな、時そばやってくれればラッキーだけど仏馬だったらわかりづらいかしら、新作も聴きたいし擬宝珠も舐めたい、などと考えながら受付近くまで行くと……

「本日主任、柳家喬太郎休演により三遊亭白鳥の代演となります」

の張り紙が。明らかに顔色を変えて落胆する友人ふたり。それをみてかなりブルーになる。
キョンキョンどうしたんだろ具合わるいのかなあとか言ってる友人に、こんなことは寄席にはつきもので、体調不良ならともかくおそらくもっとワリの良い仕事があるとかそういうこともあるだし、などと説明しつつもどうにも重たい空気。代演が白鳥なら大丈夫、とはふだん落語を聴かない子と寄席初体験の子にはとてもいえない……。わたし自身も、生では聴いたことがないので自信がない……。

どうして朝の時点で香盤表を確認しなかったんだろ、などと後悔したり、そんなキョンキョンだけ観たいなら独演会に行きゃあいいだよ独演会に!などとぐるぐるするわたし。落胆し続ける友人ら。

ともあれ、夜席まではまだ時間があるし、このあとどうするか考える時間はそこそこある。
駅前まで戻って舟和カフェで一息。

あんみつを食べつついろいろと考えてはいたけれど、わたしはやっぱり喬太郎が出なくても小せんが扇遊が聴きたい、川柳とのいるこいるの元気な姿も観たい。おもいきって
「やっぱわたしは夜席いくよ。きみらは花やしきでも行ったらどうか。あとあのTシャツやっぱ買う!」
と宣言。Tシャツのとこはもうなかば衝動。ヤケ買い。

じゃ、とりあえずあの服屋いこっかとカフェを出て店に着き、さっき見せてもらったやつ、あれの青いやつ買います!と店員さんに告げると今度は
「わ~、あれついさっき売れちゃったんですよお!ほんの一時間前!」
と。わたしがみたのは二時間もしない前だ。つまりその直後だ。
もう、絶望。店員さんは白もかわいいですよ~とおすすめしてくれるが、たしかに白もかわいい。そもそも最初に白をみつけてわあかわいいとおもったのだから、白でもいい。しかし青を見せてもらってしまったが最後、わたしのあたまにはそれしかなかった。

だいたい、白は絶対に飛ばす。めんつゆとかミートソースとか焼肉のタレとかを。買ったそばから飛ばす。その自信はある。ここで妥協はしたくなかったので、さらにしょぼくれて店を出る。

そんなこんなでふたたび演芸ホール前。いまいちど友人らに確認する。わたしは観ていくよと。すると友人ふたり、じゃあせっかくだからうちらも行く、とのこと。
ホッとするような、おそろしいような気持ち。目当てのいない場所で4時間も座りっぱなし、最終的に「落語とかやっぱそんなにたのしくない」といわれるのがいちばん嫌だ。

そんな気持ちを抱えながらホールに入ると昼席トリの権太楼が火焔太鼓をやっているところだった。
あったりまえだけど、やっぱ志ん朝とは違うねえ。
(志ん朝の火焔太鼓が最高って意味ではない)


寄席の感想はとくに書きません。ただ浅草だからってのもあるのだろうけど今日はとくに「待ってました(を連発する)おじさん」「たっぷり(を連発する)おじさん」の声がよく響いていたな。トリの白鳥はマクラでちょっと匂わせてはいたけれど、噺の途中までは完全に時そば。まさかこのひとが無難に時そばやって終わらせるはずがないでしょ、とおもって聴いてたら案の定というか、当然のどんでん返しあり。
わたしはといえば、扇遊の浮世床(夢の逢瀬?)を聴いて、わたしを落語に踏み込ませた過去の恋人と、寄席に行くとこの浮世床ごっこ(わたしの代わりに褒めてくださいな、ってやつ)をしていたのを思い出してすこしだけ泣いた。


で、そんなこんなで4時間。終わったあとにおそるおそる感想を聴くと、わりと悪くない手応え。しかしハマるほどではない、というのは明らかに伝わってきたけれど……。

なかでも友人1はのいるこいるがたいそうお気に召したご様子。開演前に、「このなかでおすすめとかいるの?」と訊かれて、うーん、この川柳とのいるこいるはいつ死ぬかわからないから観れるときに観たいとおもってる(わたしは)、と答えるとまるで興味無さげに
「ふーんまあべつに観ずに死なれてもなんともおもわないけれど」と言っていたのだが、それを撤回してくれただけでもまあ、よかったのかな。
けど川柳はパフィーと甲子園ネタだったので、せっかくだからガーコン観せたかった。友人たちからは、
「sちゃん(本名)、あれおもしろくて笑ってんじゃなくて笑おうとして笑ってたでしょ!?」
といわれる。そうだよ。わたしはあのじいちゃんが元気に高座に上がってるのを観れるだけでいいんだ。
だいたいあのひとは落語会の広告にも演目「ご存知」って書かれるくらいなんだから、おんなじネタを何回聴いたんだかわかりゃしない。


で、馬刺し食べて帰宅。