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たかしの読書日記

 
2008-03-15

博士の愛した数式/小川洋子

カテゴリー: 日記
良い本だ。静かで暖かい物語。数学に詳しいと、もう少し突っ込んだ数学の話もあっても良いが一般受けするにはこのくらいがちょうど良いのかもしれない。ルートが可愛い。大人っぽく振舞うなかに、子供らしさを隠せない所が良い。80分のとぎれとぎれの不確実な博士の人生を支えているのは、数学の普遍性であろうと想像する。彼のルートへの愛情表現は時にストレートで、時にぎこちないが、心を打つ。博士と母屋に住んでいる義姉との関係が、良くわからない。過去に何かあるに違いないと思わせる。施設に入ってからの展開が早く、もう少し物語があっても良かったのではないかと思う。

ちなみに、参考文献の藤原正彦氏の本は必読。これだけでなく、彼の本はエッセイとノンフィクションともに読む価値は十二分にある。特に「若き数学者のアメリカ」は彼の処女作にして、最高傑作。

ちなみに、この本は映画化された。寺尾聡の演技が心を打つ。原作に勝るとも劣らず面白い。

参考
http://www.hakase-movie.com/