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ともだち塾の文芸日記

 
2009-04-18

たんぽぽ

カテゴリー: 日記
  たんぽぽ   川崎 洋

たんぽぽが
たくさん飛んでいく
ひとつひとつ
みんな名前があるんだ
おーい たぽんぽ
おーい ぽぽんた
おーい ぽんたぽ
おーい ぽたぽん
川に落ちるな


 川崎 洋は、わかりやすく楽しい子どもの詩をたくさん書いている詩人だ。

 たんぽぽが、たんぽぽと呼ばれているのは、なぜだろう。
 誰かが、はじめに、これを「たんぽぽ」と呼ぼう、と言ったからだろうか。
 たんぽぽにかぎらず、すべてのものが、その名前で呼ばれているのは、なぜだろうか。
 すべてのものが、誰か、こう呼ぼう、とはじめに言った人がいるのだろうか。
 ものの名前が、なぜその名前なのかは、ふだん考えてもみないが、あらためてなぜと聞かれると、ふしぎな感じがする。
 また、それぞれのものに、それぞれ違った名前があるというのも、ふしぎだ。

 「たんぽぽ」の詩で、飛んで行くたんぽぽに、

おーい たぽんぽ
おーい ぽぽんた
おーい ぽんたぽ
おーい ぽたぽん

と呼びかけたのは、たんぽぽのたくさんの綿毛の、一つひとつは、みんなたんぽぽでありながら、それぞれは、かけがえのないひとつであると思っているからにほかならない。

 子どもたちもそうだ。
 ひとからげに、子どもたちと言っているが、一人ひとりの子どもには、それぞれ名前がある。
 一人ひとりの名前が違うように、一人ひとりの子どもが、違う個性を持ち、違う生き方をするのである。

 これはほんとに、言うのは簡単だが、こころの底からそのように思い、子どもに対していくのはたいへんである。
 私も、子どもたちを、一人ひとりの子どもとして見ることができるように、詩を読み、学習を続けていきたいと思う。