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ともだち塾の文芸日記

 
2009-04-13

はきはき

カテゴリー: 日記
  はきはき   みのむし せつこ 
                       (工藤 直子)



ひとりで ブランコしていたら
とんぼが「あそぼう」と
とんできました
わたしは「はい」というかわりに
かくれてしまいました

そのよる ねどこのなかで
へんじの れんしゅうをしました
「はい!あそびましょ
 はい!あそびましょ
 はい!あそびましょ」

あしたは
はきはき へんじができますように
あしたも
だれかが あそびにきますように




 みのむしせつこが願っているのは、〈だれか〉と〈あそび〉たいということだ。
 1連では、

  〈 とんぼが「あそぼう」と 〉

飛んで来たときに、せつこは、

  〈 「はい」というかわりに
    かくれてしまいました  〉
 せつこは、とんぼが飛んで来て、「あそぼう」と言ってくれたとき、「はい」と言いたかっのに、隠れてしまった。

 2連では、

  〈 ねどこのなかで
    へんじの れんしゅうをしました 〉

 1連で、〈「はい」というかわりに 〉なのだから、せつこが遊びたいと思っているのだなということは、読者にも伝わってくる。

 2連になると、〈 へんじの れんしゅうをしました 〉というのだから、せつこの遊びたい気持ちがはっきりわかる。
 ということは、2連は1連のくりかえしになっているのだ。このくりかえしは、同じことばのくりかえしではなく、ことばは違うけれども、内容のくりかえしになっているのだ。
 そして、〈へんじの れんしゅうを〉3回もするのだから、せつこの遊びたいという気持ちが、強くなっていることもわかる。

 だから、2連は、1連のくりかえしなのですが、1連よりも気持ちが強くなっているので、発展するくりかえしといいます。

 3連では、

  〈 へんじができますように
    だれかが あそびにきますように 〉

と、せつこの気持ちが、具体的になっている。
 1連から2連へと発展したせつこの気持ちが、3連になるとより発展して、返事ができるように、誰かが遊びに来るようにと、具体的な願望にまでなっているのだ。

 〈 はい!あそびましょ 〉と、3回も練習したのだから、あした誰かが来たら、きっと〈 はきはき 〉と返事して、せつこはいっしょにたのしく遊ぶことだろう。