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ともだち塾の文芸日記

 
2009-04-02

コスモス

カテゴリー: 日記
  コスモス   佐藤 義美


みんなで みどりの 手をくんで
台風と たたかって
花を 高く まもりました。

青い空だけかとおもったら
遠い山も しずんでいました。
白と赤の花の中。

列車をひいて駅についた
電気機関車を、
コスモスが さわっています。



 佐藤 義美は、「いぬのおまわりさん」の作者で有名な、童謡や子どもの詩をたくさん書いている詩人だ。

 詩の表現方法のひとつに、擬人化がある。
 擬人化には、二つの方法がある。
 そのひとつは、植物や動物が、人間がするように、話したり考えたりして、人物化させる方法だ。
 もうひとつは、植物や動物の様子を、人間がする行動のように書いてはいても、あくまでも、植物は植物であり、動物は動物であるという書き方だ。

 「コスモス」の場合、

〈みんなで みどりの 手をくんで
 台風と たたかって
 花を 高く まもりました。〉

〈コスモスが さわっています。〉

となっているが、顔や手足を持った人物というよりも、植物であるコスモスが、人間のように見えている、という擬人化だ。

 詩を読むとき、その詩のなかの、あることばに注目して、あるいは感動して読めば、その詩のイメージを描きやすいということがある。
 「コスモス」の詩では、

〈花を 高く まもりました。〉

ということばに、感動をおぼえる。

 この〈高く〉というのは、位置的な高さよりも、「気高く」「意気高く」と言うときの、精神的なものが表されている。

 〈花を 高く〉〈高く まもりました〉

という、前後のことばとの響合いも、位置的なものよりも、精神的なものを感じさせる。

 1連では、自然の脅威とたたかったコスモス。
 2連では、風景のなかのコスモス。
 3連では、人工的な機関車と対比的に描かれているコスモス。
 どのコスモスも、「高く」自分を持ち、美しい花を守り、風景の中に生き、好奇心を失わずにいるコスモスたちだ。