キャサリンが、過去生の中で姪を見つけ出したので、私は思わず、私も彼女の過去生の中にいるかどうか、たずねてしまった。彼女の過去生の中で私の役割があったとしたら、それが何だったのかを知りたかったのだ。それまではゆっくり一つずつ思い出すような話し方だったのとは対照的に、今度はすぐ答えが返ってきた。 「あなたは私の先生で、壇の上にすわっています。あなたは、本を使って、私たちに教えています。金の縁どりのついた白いトーガ(古代ローマの服)を着ています。………名前は、ディオジネス。人々にシンボルや三角形の意味について教えています。とても賢い人なのですが、私には理解できません。年代は、紀元前1568年です。(これは有名なキニク派の哲学者、ディオジネスより、およそ1200年も前のことになる。これは、ありふれた名前なのだ。)」 こうして、第一回目の催眠療法は終わった。しかし、もっと驚くことが、これ以後ぞくぞくと起こったのだった。 (『前世療法』 ブライアン・L・ワイス著 山川紘矢・亜希子訳 PHP研究所[文庫]刊) |