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ともだち塾の文芸日記

 
2009-03-31

かぼちゃのつるが

カテゴリー: 日記
  かぼちゃのつるが   原田 直友



かぼちゃのつるが
はい上がり
はい上がり
葉をひろげ
葉をひろげ
はい上がり
葉をひろげ
細い先は
竹をしっかりにぎって
屋根の上に
はい上がり
短くなった竹の上に
はい上がり
小さなその先たんは
いっせいに
赤子のような手を開いて
ああ 今
空をつかもうとしている



 原田直友は、1923年生まれで、子どものための詩をたくさん書いている。

 詩の全文が、一つのセンテンスになっている詩だ。
 ためしに、句点(。)や読点(、)をどこに打っていいか探してみてほしい。どこにも打ちようがないことがわかるはずだ。

 詩人が、ことばを大切にすることはもちろん、句点や読点までも、いかに心配りをしているのかが、よくわかると思う。

 「かぼちゃのつるが」という題名も、文の連続性をイメージさせるものになっている。
 「かぼちゃのつる」という名詞に、「が」をつけることで、「かぼちゃのつるが」は主語となり、あとに述語が続くことを前提にしているのだ。 それが、この詩の連続性をイメージさせているのである。

 比喩表現もされている。
 〈かぼちゃのつる〉が比喩しているものは、幼児から少年の子どものイメージだ。
 子どものひたむきに成長していく姿を、〈かぼちゃのつる〉でたとえているのである。

 このような比喩を、擬人化という。
 擬人化は、詩にはよく使われている。
 工藤直子の連作「のはらうた」も、擬人化された詩だ。