大昔の話になりますが、大した取り柄もなかった小学生時代に 読書感想文コンクール入選の常連になっていました。 ずば抜けて文才があったからではありません。 書き方のコツが分かってたのです。 「こんなふうに展開させて、こう結論づけたら印象良いはず」 「審査員(大人)は子供のこんな純粋な感想を喜ぶよね」という感じに。 今思うと、とても可愛げのない冷めた子供だったと思います。 6年生になると、さすがに飽きてしまって、書くのがイヤになりました。 でも宿題だし、先生たちは私の感想文が入選すれば学校の 手柄になるので、絶対に提出しろと言います。 私は締め切りの前日まで葛藤した挙句、課題図書に対する批判を 詩にして提出しました。 読書感想文なのに詩の形式にするというのは、当時としては かなり掟破りだったのではないかと思います。 しかも「ストーリーが面白くない、登場人物は好感が持てない」など 課題図書を思いっきりコキ下ろした内容。 それを読んだ担任の先生は、かなり落胆したのでしょう。 クラスのみんなの前で憮然として「これじゃあ入選には程遠いだろうね」と 言い放ちました。 だけど一方の私は、そんな先生の嫌味が全く気にならないほど 清々しい気分で満足していました。 その本の感想を書こうとした時、ストーリーに対するツッコミが 次々と湧き上がってきたので、「あ、これを詩にしたら面白いだろうな」と 思いついたのです。 そこからは、一気に書き上げました。 従来の感想文のルールを無視して自分の好きなように 自由に書いてる時、この作業を初めて心から楽しめたのです。 形式から外れがちな傾向は、この経験から強まったような気がします。 長くなったので、続きは この次に。 |