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 内田春菊です。
 
 近頃のブックオフは意味のわからないセレクトで文庫が基本300円の値がつくようになってしまったのですが(そのかわり古い名作が100円だったりして、ほんとになんもわかってないやつが価格表つくってんだとおもう)、セットで値下がりしてたんで買ったった。
 
 内田春菊といえば女性の深層心理を描くパイオニア的作家なのでしょう。
 80年代からのそれといえば岡崎京子ですが、わたしはどうも苦手です。
 ことばの選び方がどうもすきじゃないのと、汚いただれた生活のアタシ、それすらおしゃれにしてしまうとことか。
 
 映画、ヘルタースケルター観に行きましたが、あれはあれでなんつーか、まあいろいろ原作と比べて気に入らないとこもあったけど、たとえば主人公のマネージャー役が寺島しのぶだったり。
 原作では若い子なんだけれど、全身整形でサイボーグのようになっても美しさを保って前線にいるモデルと、若さゆえ美貌に無頓着さをもつ女マネージャーとの対比。わたしはそこに意味があるとおもっているので。
 あとから出てくる若いモデルに地位を奪われる、なんてとこよりもずっとずっと。
 
 あと寺島しのぶは映画ですぐセックスするひとっていう印象なので、はいはい、って感じつうか、おなかいっぱいな感じつうか。
 あとね、世間のギャルたちの気移りの早さ、そんな場面もからめて渋谷の交差点で浜崎あゆみの曲が流れるのですが、そうじゃねーよっって。
 それは蜷川実花はじめわたしらの世代で、岡崎京子はもうぜったいに80年代あるいは90年代初頭から抜け出すものがない。
 言い回しもそう、遊び方もそう。そういうとこ、なんだかなあと。
 でもまあ、蜷川実花の品の無い色彩と絵面に岡崎京子の世界はよくマッチしてそこへきて沢尻エリカ、これはいいななるほどなっておもいました。
 
 ちなみに同行した友人たちとはその後、窪塚洋介か綾野剛かで割れました。
 わたしは窪塚派。
 
 で、岡崎京子はもういいとして内田春菊に戻りますが。
 
 ある時期からご本人のエキセントリックさばかりが目立って、そんなこんなで初期はほぼ読みつくしましたが、「目を閉じて抱いて」からはぜんぜん読まなくなっておりました。
 
 今日購入したこちらはエロティックホラーと銘打たれて、たしかに彼女の分野ではあるとおもいます。
 
 しかし、いまのところ途中までしか読めず。
 なんでだろ。なんか、つまらない…。
 
 わたしが変わったのか、彼女の表現が変わったのかはわからない。
 
 しかし、彼女がいなかったらきっと、いまのレディースコミック(広い意味で)ていうのはまるでちがうものになっていたんじゃないかとわたしはおもってます。だからどう、というわけではないけれど。
 
 彼女自身の生き方や考え方に共感できる部分は、いまはあまりない。
 
 けれど、彼女が作家としてどう表現していこうと、彼女自身がどのように生きていこうと、
 過去「水物語」と「物陰に足拍子」を生みだした。
 それだけでももう、内田春菊というひとはわたしのなかで治外法権のような存在なのです。
 
 とりあえず、あしたは休日前なのでゆっくり読もうとおもいます。
 
 ちなみに昨日書いた立川流騒動記は1ページもめくっておりません。
 てへぺろ。
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