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日々精進

自己啓発と努力の日々

 
2010-08-24

高齢社会

カテゴリー: 法律
足立区の年金不正受給に絡むミイラ化した表彰状クラスの名目上区内最高齢者に
関する事件に端を発して、それまで放置してきた各自治体が本格的に所在の確認を
し始めたが案の定出るは出るはの止まるところを知らない

こうしたことは実は今回が初めてではない
相当前からぼちぼち発覚していたが、その度に特異な事例、例外事項のように
取り扱われ事態の深刻さが認識されていなかったに過ぎない

今回の場合には、これまでと違って戸籍の電子化までが各自治体で整ったこともあり
いわゆる「戸籍残り」の幽霊人口、中には住民票が当初から存在しない人も含めて
次々と発覚している。
電子データ、電算化のおかげで事態が把握し易くなった反面、
こうした状況を放置しておくことが許され難くもなったのである

こうした事態が明るみに出るとマスメディアで知ったか振りコメントを述べることで
生計を立てている実は頭が空っぽの評論家やコメンテーターと称する風情は
何かというと「行政の怠慢」という簡単で分かり易い一言を怒った口調で言い放ち
片付けようとするが、実はこの指摘は大部分で間違っており言っている人間は
法的無知を公表しているだけなのである

基本的に行政サービスと直結する住民登録とは違い
戸籍はその当事者の所在とリンクして管理するとは限らず
実在する地番ならば何処にでも置くことが許されるため
皇居に本籍を置く者も常時20人以上いるとされる
現在は北方四島にも戸籍を置くことが許されている

事務的には戸籍の附票と呼ばれる住民登録データも付属するが
全ての戸籍でデータが全部揃っているとは限らない

また、住民票と異なり役所は戸籍の抹消権限を有しない上、抹消を求める義務もない
届出主義の観点からは、むしろ勝手にどうのこうの出来ない種類の記録なのである

逆に実際に為された届出に対しては様式審査と言って書面上の形式的事務的な
誤りの補正などを除き内容に立ち入った審査などは出来ないため本人確認や
届出人の身分確認位しか虚偽の届けに対しても防止策に乏しいのである

戸籍を抹消するのには死亡診断書や失踪宣告など公的書面が必要なので
ややハードルは高いが、婚姻や養子縁組の届はあまりにも簡単なので
本人が知らないうちに勝手に出されたりすることが問題になることもある

現実に居られない方を職権抹消するにしても、これが紙の戸籍を事務的に入力しただけの
過去に一度も何処にも住民登録されたことがない齢200歳を超えるご老人ならば
法務省の許可も直ぐに下りるだろうが、万が一にでも御尊命の方を本人が
全く知らないうちに故人にしてしまうことは絶対に許されないのである

昨今は、物価の安い海外への移住もポピュラーになり国内ではギリギリの生活しか
出来ない程度の年金でも十分すぎる暮らしが出来るとあって老後の年金暮らしを海外で
と言う方も居られるから滅多なことで所在不明だなどと騒ぎ立てるのも失礼な話しであるから
個々の事情を考慮すればやむを得ない部分も少なくないのである

その辺の事情を全く弁えない、幾ら賢しこぶっても実は頭の悪い輩が
行政ばかりを悪者呼ばわりするのである。確かに役所と言うところは
腰は重いし仕事は鈍いし職務怠慢も数え切れない程あり、かくいう私も
某行政を相手取って賠償金を取り立てたこともあるが
この問題はそうした役所の体質とは全く異質の問題なのである

もちろん怠慢体質が原因に上積みされたことも否定はしないが、
その他の住民へのサービスとのプライオリティーを考えれば当然のことでもある

事態の解消に役に立つ何らかの具体策、アイディアを提供できるならば
幾らでも能書きを垂れたらいいだろう
しかしながら、自己の馬鹿さ加減をさらけ出して怒るだけならば黙っていろ
と強く思う今日この頃である