acchan.com恋愛お見合い - 無料の婚活サイト  どなたもログインしてません  

たかしの読書日記

 
2008-04-01

白い巨塔(第一巻)/山崎豊子

カテゴリー: 日記
改めて説明の必要のない程の、社会派小説の金字塔の一つ。とても25年前に書かれたとは思えない内容。豊かな表現力、緻密な描写力はもちろんの事、取材による情報収集力が素晴らしい。さすがは井上靖のもとで研鑽を積んだ作家だと思わせるに十分である。テーマと内容が未だに今日性を持っているのは、山崎氏の先見の明は言うまでもないが、いくら医学が進歩したとしても、医学界が成熟していない証拠であろう。

第一巻に書かれている封建制、政治家顔負けの裏工作などの黒い世界を見たくなくて、私は学術の道を選んだが、実際は大学と言えども、それらとは無関係な象牙の塔とは言えない。しかも、近年の大学独立法人化は、それらを加速するであろう事は想像に難くない。言うまでもなく、私は大河内教授、里見助教授の考え方に強い共感を覚える。そして、彼らのように清貧に甘んずる覚悟を持って自分の道を選んだ。今でも、この事に何ら後悔の念はない。