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ひで日記

 
2009-08-18

その涙が語るもの

カテゴリー: 日記
都内K区でのこと。
知り合いが近々新しい住居へ引越すので、現在住んでいる住居を解体して更地にして欲しいとのことで、お客さんに呼ばれ現地で打ち合わせをしに行きました。
そこには、とても愛想の良く優しい感じの奥様と、少し体の不自由な旦那様がいらっしゃいました。奥様は、新居へ持って行く物、不要なので一緒に処分して欲しい物等の説明と、それぞれの品の思い出を話してくださいました。今はもう立派な一社会人として、独り立ちした娘さんが使われてた家具。娘さんが大きくなってきた時に増築して広くした部屋。いくもの思い出の品。話を聞いていく中で、とても仲の良い夫婦なのだということが伝わってきました。そして旦那様の話へ…
数年前に脳梗塞を患ってしまい、思うように体を動かせなくなってしまったと…。とても器用な旦那様だったらしく、限られたスペースを有効に活用してもらおうと、奥様の為に作ってくれた家具の数々。新居には持って行くことができないので、これらも処分してもらえませんか?と、ふと僕の後ろに目をやり、涙を堪えながら奥様が。
僕の後ろには、奥様の話を聞いていた旦那様が、涙を流しながら立っていました。今日初めて会った僕の前で流す涙… 旦那様は何も言葉には出さなかった…いや、出せなかったのかもしれませんが、その涙から…旦那様のいろいろな思いが強く伝わってきました。自分で何もすることができなく、奥様に迷惑ばかりかけてしまって情けない…やるせない…どうしようもない…うまく文章で表すことができませんが、多くを語る涙を見て、僕は必死に涙を堪えました…


僕は、前から人の涙には弱かったですが、こんなにも強く、多くを感じたことはありませんでした。それは、その夫婦の思いがとても強かったからでしょうか?それとも僕が、人として一歩成長できたからなのでしょうか?

損得勘定抜きで、僕にできることは何でもしてあげたい!そう思ってしまいました。
情に流されてしまうようでは、商売人として失格でしょう。しかし、親を持つ子として…人として…御夫婦の為に全力を尽くそうと誓いました。