|  昨日から小説の挿絵を描き始めた。 
 物語の第1回目は1885年、開港17年目の我が町の港に、主人公のドイツ人が蒸気帆船に乗って到着するシーンから始まる。
 
 私は、低層建築の木造建築が建ち並ぶ当時の居留地の賑わいを背景に、手前にシャトルボートそして海と波止場をメインで描くつもりである。
 それとは別に居留地時代をイメージするモチーフの一つである“ガス燈”も一基灯描くつもりだ。それも他の港からやってくる乗客が到着する波止場にあった大型である。ガス燈は明治7年にはすでにあったと言うから、すでに居留地には近代化の大きな波が押し寄せていた。
 
 なにしろ研究家達が読むことになるのだから、時代考証をちゃんとやらねばならない。そう言う意味では、私はボランティアとう事もあり適任かもしれないと思った。
 
 最初、ガス燈を少し斜めに描いていたら、ある人から震災の絵か?と質問された。
 確かに、震災後には本当に街灯が曲がって建っていた。
 慌てて、真っ直ぐに描き直した。
 私の町には、いろいろな歴史が刻まれているのだ。
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